経験談

元塾講師のつぶやきブログ

中学入学は学力向上の大きなチャンス!

元学習塾講師の立場から、子どもが中学進学する際にお伝えしたいことを書いていきます。
中学校への入学は「チャンス」であるということです。特に勉強面においてはとても大きなチャンスを迎えます。つまり、もし今小学校の学習で苦手意識があったとしても、ここからの心の持ちようと取り組み次第で、結果をだすことは不可能ではないということです。
実際、私が指導してきた生徒の中でも中学校入学をきっかけに学習のスイッチが入り成績を伸ばしていった生徒は多くおります。
一番印象に残っている生徒は、小学4年生から中学3年生まで指導した男子生徒です。その生徒は小学4年生の時、算数の模擬試験で角度を計算で求める問題を解く際、分度器を使って解こうとして、私から注意を受けるほど算数が苦手な生徒でした。ですが、中学入学とともに歴史に興味を持ち始めて、学習に対する姿勢が変わりました。そしてめきめきと力をつけて、地域のトップ高校へと進学していきました。

では、なぜチャンスであると言えるのか、理由を説明いたします。
①学習内容は0からまたスタートである
②序列意識の崩壊
大きくはこの2つです。①の学習内容に関して、すべての教科でまた内容は0からスタートです。英語はアルファベットから、数学は正負の数、他の教科も小学校からの続きということはなく、最初から学習していきます。したがって、中学校入学を機に学習をしっかり行っていけば、必要な知識や解法はすべて身に付きます。
一番大きいのは②の序列意識の崩壊です。人間はだれしも、心の中で自然と様々な序列を作るものです。算数の計算はあの子に勝てないなとか、かけっこならあの子よりできるなど、自分の立ち位置というのを自然と作り上げてしまい、時にそれが足かせになってしまうこともあります。自然と作り上げてしまった「苦手意識」、これが問題なのです。
話が変わりますが、サーカスの象はなぜ鎖でつながれていても逃げ出したりしないのでしょうか。それは幼い、子象のころ鎖を引きちぎって逃げようとした時に、力が足りずできなかったことで、できないと思い込んでしまっていることが大きいです。しかも鎖を引っ張れば肉が引っ張られ、痛い思いをしたでしょう。そんな経験から、大人になり力が備わっても、そのできないという思い込みから行動に移すことすらあきらめてしまうのです。
小学校時代の「苦手意識」、これが先述したできないという思い込みにつながり、序列から抜け出そうとしません。つまり、勉強が苦手だという現状に甘んじている方が、いつの間にかいごこちがよくなってしまいます。
ただし、中学校に進学すれば、他の小学校からも同じ中学校へ進学してくることがほとんどですので、その序列が一度崩壊します。ですから、ここで小さくてもいいので成功体験を積むことで、負の思い込みを取り払うことができ、飛躍につながっていくのです。
ぜひご家庭では、できるという前提で接してもらい、子どもが頑張っていることの背中を押してもらうことと、がんばったらほめてあげることを意識してください。

参考になれば幸いです。